三船敏郎の山本勘助
映画「風林火山」がBS2で放送されたが、それを録画、最近、見ることが出来た。1969年作品。原作はNHK大河ドラマ「風林火山」と同じ井上靖。
山本勘助を三船敏郎、武田晴信を萬屋錦之助、由布姫を佐久間良子が演じる。上杉謙信は石原裕次郎。大河ドラマで上杉の軍師を演じる緒方拳が勘助のそばに仕える足軽を演じている。みんな若い。
井上靖の「風林火山」を読んだ時、これを1年間の大河ドラマにするのは大変なのではないかと思った。そしたら、NHKは見事に山本勘助が武田家に仕官するまでを3ヶ月間かけて丁寧に物語を作った。意外とこの部分が好評ではなかったか。思いっきりの良い演技を見せた貫地谷しほりという女優の評価を高めた。千葉真一が演じる板垣は秀逸だったし、久しぶりに本格的な時代劇の所作や殺陣を見ることが出来た。
映画版の「風林火山」は橋本忍が脚本に参加しているせいか、なかなか骨太の筋となっている。原作と同じように、勘助が青木典膳を切って武田家に仕官するところから物語りは始まる。2時間30分あまりの時間によくまとめられていると思う反面、大河を見慣れていると、荒削りと感じてしまう部分もある。人の内面の描写がうまく伝わってこない。
川中島の戦いでは、なんと上杉謙信が数名現れてきて、武田信玄に切りかかる。面白い演出かもしれないが、今ひとつ。
最後、山本勘助は目に矢を受けて、それでも戦うが最後に力尽きる。70年安保闘争の時代の中で作られた作品だけに、最後の敗北のシーンには自分の心情を投影させた人も多かったかもしれない。
娯楽作品には違いないが、「影武者」や「乱」のなかで描かれた哀切、悲哀の感情は、あまり感じることが出来なかった。
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